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神様の遣い (4)

2018.10.05

神様の遣い (4)


 
前回の記事は、小学生の早苗さんがお友達の誕生会に招待され、楽しみにしていたけれど、お母さんに「絶対に行ってはダメ」と云われ落ち込んでしまいました。お誕生会にはクラスの全員が参加したのに、早苗さんは一人参加しなかった訳です。その結果、早苗さんはクラスでみんなの話題に加わることが出来なくなっていって、次第に孤立していったという事でした。

https://ameblo.jp/miya-ritumei/entry-12407987756.html

 
------ 夏休みの出来事 ------

早苗が小学校3年生の夏休みのことでした。

小学校ではウサギを数匹、網を張った小屋で飼育していました。
普段の世話は2~3人の生徒たちが当番制でウサギ小屋の掃除、水や餌やりをしていました。ウサギの世話が出来るようになるのは三年生からです。
三年生になったら、上級生と先生の指導でウサギ小屋の掃除の仕方、餌やりの仕方を覚えます。早苗も三年生になりましたから、4月から他の同級生と一緒にウサギの世話を覚えました。
動物好きの同級生はキャーキャー言いながら「可愛い~」と小屋の中に入ってウサギを抱っこしています。
でも早苗は、そんな同級生をウサギ小屋の入り口から眺めているだけです。
ウサギ小屋の中に入ろうとしません。同級生にウサギを「早苗ちゃん、ウサギを抱っこしてごらん」と手渡されても、手を出そうとしません。
早苗は絵本に出てくるウサギも熊さんも大好きです。絵本の動物を観ては「可愛い~」と嬉しそうにしている早苗ですが、何故かウサギ小屋のウサギには近づけないのです。
実は、早苗には3歳ごろ恐ろしい思い出がありました。
まだ物心ついてヨチヨチ歩きの頃に、近所の放し飼いの犬に足を噛付かれて、何針も縫う大怪我をしました。それ以来、本物の動物は怖くなってしまったのです。絵本に出てくる動物はとても可愛いのに、本物はダメなのです。ペット屋さんのハムスターは手に取ることが出来ましたが、それでも手に取ったハムスターが、突然暴れると投げ出してしまうほどの臆病になってしまっていたのです。

 
この日もウサギ小屋の当番で同級生と小屋に入ろうとしましたが、早苗は入り口で眺めているだけです。それでも同級生はウサギ大好きですから、さっさと餌やりをやっています。
「早苗ちゃん、掃除手伝ってよ」と同級生に促された早苗は、恐る恐るウサギ小屋に入って藁くずを片付けは始めました。
早苗の足元にウサギが寄ってきます。
本物のウサギもよく眺めれば可愛いものです。早苗は思わず「可愛い~」と声を上げますが。抱き上げることはとてもできません。

 
そして夏休みが来ました。
早苗のウサギ当番はクラスのB子と一緒に夏休み中やることになりました。
しかし、早苗はB子と一緒にやることが心配になりました。
B子はクラスの中ではずるい性格で有名でした。
早苗は、「よりによってB子と一緒だなんてヤダなあ」と思いました。
早苗はB子には普段から何も言えない、出来れば関り会いたくない相手です。一番嫌いなタイプです。
早苗は友達同士でも何かあれば、早苗が何でもしてあげてしまう方に回ってしまう、損な役割ばかりすると思っていました。
B子は、その点は早苗と真逆です。B子は自分では何もしないで、何でも人にやらせて威張っているタイプです。

 
そんな嫌な思いが的中した日がやってきました。
夏休みが始まって一週間目のある日、早苗とB子のウサギ小屋の当番の日です。早苗は約束の小学校の校庭でB子を待ちます。
しかし、時間になってもB子は現れません。今のように携帯電話も無い時代です。そもそも家に電話も無い所もありました。
早苗はB子を待ちましたが、30分も過ぎてしまいました。不安になった早苗は迷いました。B子を呼びに行くにも、ずいぶんと遠い所です。
仕方なく早苗は職員室にウサギ小屋の鍵を貰いに行きました。
学校は夏休みですから廊下も職員室もシンとしています。真夏なのに静かで何となく冷んやりした、ちょっと薄暗い廊下を進んでいくと職員室が有りました。職員室にはクラスでも有名な怖い中年爺じいの先生が一人机に座って新聞を広げて読んでいます。
早苗は恐る恐る中年爺じいの先生の前に行きました。椅子に座っているのに先生は、見上げるような怪物に見えました。

「あの…、ウサギ小屋の鍵が欲しいですけど…」

早苗はモジモジと小さな声で言いました。

「何! 何が欲しい?」

先生は、「何の用だ!」、と云わんばかりに大きな声で聴き返してきました。早苗はもう一度、前より大きな声でゆっくりと
「うさぎ小屋の…、鍵が欲しいです」

「そっか、ウサギ小屋の鍵だな。お前が今日はウサギ小屋の当番か?」
「はい、そうです」
「でも、ウサギ小屋の当番は二人でやるんだろ? お前独りやるのか?」
早苗はB子が待っても来ないことを言いたくて、喉までそのことが出かかったけれど、結局は何も言えなくて黙ってしまっていました。
「お前まだ三年生だろ、独りで勝手にやってはダメだ。先生が就いていくから先にウサギ小屋に行って作業を始めていなさい」
そう言って先生はウサギ小屋の鍵を早苗に手渡しました。

 
早苗は早々にウサギ小屋に向かっていきました。
ウサギの餌は粒に成っている物で、大きめのカップのような容器に山盛りにして、小屋の入り口のカギを開け中に入っていきました。
ウサギ小屋の入り口を開けている間に、ウサギが外に出て行っては困りますから、早苗は素早く小屋に入り戸を閉めました。
そして振り向いたら何匹もいるウサギたちが、餌を欲しがって一斉に早苗に向かってきました。しかし早苗にはウサギが突進して来ると感じたのです。
慌てた早苗は手にいっぱい持っていたウサギの餌を、カップごと放り投げて、小屋の入り口に身を縮めてしまいました。
金属製のカップは音を立ててウサギ小屋の中を転がり、山盛りの餌は小屋中に散らばってしまいました。
「こら! お前、何やってるんだ、この野郎!」
ウサギ小屋の外から大きな怒鳴り声が聞こえてきました。
その怒鳴り声に再び驚いた早苗は、恐怖で小屋の隅っこに座り込んでしまいました。ウサギたちは散らばった餌を拾うように食べています。
「先生は見たぞ! お前は何という悪ガキだ、独りでやるからって出鱈目は先生は絶対に許さん、小屋に散らばった餌を全部拾い集めなさい」
早苗は涙を流して小屋の隅に小さくうずくまるばかりです。
「こらっ! 早く餌を拾わんか! 拾い集めなかったら午後までお前を小屋から出さんからな、昼に成ったらお前は自分でぶち撒けた餌を拾って食え」
先生はそう言ってウサギ小屋の入り口のカギを外から掛けてしまいました。
 
恐怖で何も出来なくなった早苗をしり目に、先生は何処かに行ってしまいました。早苗は、このままずっとウサギ小屋から出して貰えないと思いました。
早苗は、藁の間に散らばった餌を食べるウサギたちを見ながら、ずっと泣き続けていました。

 
どのくらい時間が過ぎたのでしょうか。
ウサギ小屋の外から声がしました。
「お前の今日の悪態は受け持ちの先生に言うからな、そんないい加減な奴は受け持ちの先生に言って、思いっきり懲らしめて貰わなければならん」
いつしか、何処からか戻ってきた中年爺じい先生がウサギ小屋の鍵を開け始めていました。
「早く出てこんか。もう一人の当番の生徒は、お前がちゃんと呼んで一緒に来なきゃならん、勝手に一人で来て出鱈目をしようたって、先生は許さんからな」
早苗は真っ赤に泣きはらした、ウサギのような眼をして家に帰って行きました。家に帰っても誰もいないのです。
今日の恐ろしい体験を誰に話すことも出来ません。
クラスで孤立してきた早苗にとって泣き面に蜂。踏んだり蹴ったりの出来事として生涯忘れられない心の傷になってしまいました。
早苗 8歳の夏の出来事でした。
 

 
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